「今の会社を辞めたい。でも、転職して年収が下がったらどうしよう……」
40代で転職を考えたとき、
最後まで引っかかりやすいのが年収の問題ではないでしょうか。
仕事がつらい。
人間関係もしんどい。
このまま今の会社で働き続けることにも不安がある。
それでも、
「住宅ローンがある」
「子どもの教育費もこれからかかる」
「今より月収が3万円、5万円下がったら生活できるだろうか」
と考えると、簡単には動けません。
求人を見てみても、
「今より給料が低い求人ばかりに見える」
と感じて、結局応募せずに画面を閉じてしまうこともあると思います。
そして、
「40代で転職したら、やっぱり年収は下がるのか」
「年収を下げてまで転職する意味はあるのか」
「今の会社で我慢したほうが安全なのではないか」
と、同じところを何度も考えてしまいます。
結論から言えば、40代の転職で年収が下がるケースはあります。
しかし、
40代だから必ず年収が下がるわけではありません。
今までの経験、転職する業界、職種、現在の給与水準、
役職、求人の選び方によって結果は大きく変わります。
また、たとえ年収が少し下がったとしても、
- 残業が大幅に減る
- 休日が増える
- 通勤時間が短くなる
- 人間関係のストレスが減る
- 数年後に昇給できる可能性がある
のであれば、長い目で見ると「失敗」とは言い切れません。
反対に、年収だけを維持することを優先して、
今と同じようにつらい環境へ転職してしまっては意味がありません。
大切なのは、
「年収が下がるかどうか」だけで転職を判断しないことです。
まずは、
「自分の場合は、どのくらい年収が下がる可能性があるのか」
「下がるとしたら、なぜなのか」
「どうすれば下げにくくできるのか」
を整理してから判断する必要があります。
この記事では、40代の転職で年収が下がりやすい理由から、
年収が下がりやすい人・下がりにくい人の違いまで順番に解説します。
「辞めたいけれど、給料が下がるのが怖い」
そう感じて転職活動が止まっている方は、まずここから確認してみてください。

1.40代で転職すると年収は下がる?まず知っておきたい現実
「40代で転職すると年収が下がる」
このような話を聞くと、不安になると思います。
ただし、実際には、
40代という年齢だけで年収が決まるわけではありません。
転職後の年収は、主に次のような要素で変わります。
- 現在の年収
- これまでの仕事内容
- 転職先の業界
- 同職種か未経験職種か
- 保有しているスキルや資格
- マネジメント経験
- 会社の規模
- 勤務地
そのため、
「40代だから年収が下がる」
というより、
「これまで積み上げてきた経験を、転職先でどこまで評価してもらえるか」
のほうが重要です。
同じ40代でも転職条件は大きく違う
たとえば、現在製造業で働いている40代の人が、
同じ製造業でこれまでの加工経験や品質管理経験を活かして転職する場合。
この場合は、即戦力として評価されやすく、
現在の年収に近い条件を狙える可能性があります。
一方で、
製造業からまったく未経験のIT職へ転職する
営業職から未経験の事務職へ転職する
といったケースでは、最初は未経験者として評価されるため、
年収が下がることもあります。
つまり重要なのは、
年齢よりも「経験がそのまま使えるかどうか」
です。
現在の年収が高い人ほど下がることもある
もう一つ注意したいのが、現在の年収です。
長年同じ会社で働いていると、
- 定期昇給
- 役職手当
- 勤続年数
- 社内独自の手当
などによって給与が上がっている場合があります。
そのため、転職市場で同じ仕事を探したとき、
「今の会社では550万円だけど、求人を見ると450〜500万円くらいしかない」
ということもあります。
この場合、
「自分の評価が低い」
というより、
今の会社の給与が市場相場より高かった
という可能性もあります。
逆に、現在の給与が相場より低い場合は、
転職によって年収が上がることもあります。
そのため、転職前には、
現在の年収だけでなく、自分の経験の市場相場を確認すること
が非常に重要です。
「年収が下がるか」だけで判断しない
もちろん、40代にとって年収は重要です。
住宅ローンや教育費、老後資金などを考えると、
簡単に下げられるものではありません。
ただし、
年収500万円で毎日2時間残業する仕事と、
年収470万円で残業がほとんどない仕事。
この2つを単純に年収だけで比較して、
「500万円のほうが得」
とは言い切れません。
時間、休日、仕事内容、ストレス、
将来性まで含めて考える必要があります。
まずは、
40代の転職=必ず年収が下がる
という思い込みを一度外しておきましょう。
2.なぜ下がる?40代の転職で年収ダウンが起こりやすい5つの理由
では、なぜ40代の転職では「年収が下がった」という話が出やすいのでしょうか。
主な理由は5つあります。
①今の会社で勤続年数によって給与が上がっている
40代になると、10年、15年、20年と同じ会社で働いている人も珍しくありません。
長く働いているほど、
- 定期昇給
- 勤続手当
- 役職手当
- 家族手当
- 住宅手当
などが加わり、給与が高くなっている場合があります。
しかし転職すると、こうした手当が一度リセットされることがあります。
そのため、基本給だけを見ると大きく変わらなくても、
手当がなくなって年収全体が下がる
ということがあります。
②役職手当がなくなる
現在、
- 主任
- 班長
- 係長
- 課長
などの役職についている人も注意が必要です。
転職先でも同じ役職で採用されるとは限りません。
たとえば、
現在は係長で年収550万円
転職後は一般社員スタートで年収480万円
となれば、年収は70万円下がります。
これは能力が下がったわけではなく、
転職によって役職が変わったため
です。
ただし、転職先で数年後に役職につけば、
再び年収が上がる可能性もあります。
目先の年収だけでなく、
入社後の昇給・昇格制度まで確認すること
が大切です。
③未経験業界・未経験職種へ転職する
40代で大きくキャリアチェンジする場合、
年収が下がりやすくなります。
なぜなら企業側から見ると、
「社会人経験は豊富でも、この仕事については未経験」
だからです。
たとえば、
- 製造業からIT
- 営業から事務
- 飲食から製造
- 接客からWeb業界
といった転職では、
これまでの経験すべてがそのまま給与に反映されるとは限りません。
特に専門性が高い仕事ほど、
実務経験の有無
が年収に影響します。
そのため完全未経験へ進む場合は、
「最初は年収が少し下がっても、2〜3年後に上げられる可能性があるか」
まで確認したほうがよいでしょう。
④大企業から中小企業へ転職する
大企業から中小企業へ転職すると、
基本給自体は変わらなくても、
- 賞与
- 住宅手当
- 家族手当
- 退職金
- 福利厚生
などの差によって、年収が下がる場合があります。
特に賞与は会社による差が大きいため、
月給だけを見て転職先を決めるのは危険です。
求人を見るときは、
月給ではなく年間の総支給額で比較すること
が大切です。
⑤これまでの経験をうまく伝えられていない
意外と多いのがこのケースです。
40代は20代より多くの経験をしています。
しかし本人にとって当たり前になっているため、
「特別なスキルはありません」
「普通に仕事をしてきただけです」
と考えてしまう人もいます。
ですが企業から見ると、
- 後輩指導
- トラブル対応
- 品質改善
- 納期管理
- 顧客対応
- チームリーダー経験
なども立派な経験です。
こうした経験を職務経歴書や面接で伝えられないと、
本来より低い評価を受ける可能性があります。
40代では、
自分が何をしてきたかではなく、「その経験を転職先でどう活かせるか」を伝えること
が重要です。
3.年収が下がりやすい40代・下がりにくい40代の違い
同じ40代でも、
「転職したら年収が100万円下がった」
という人もいれば、
「ほとんど変わらなかった」
「むしろ上がった」
という人もいます。
この違いはどこにあるのでしょうか。
自分がどちらに近いか、確認してみてください。
年収が下がりやすい40代
次の項目に多く当てはまる場合は、
年収が下がる可能性があります。
- 完全未経験の業界へ転職する
- 完全未経験の職種へ転職する
- 現在の年収が同職種の相場より高い
- 役職手当の割合が大きい
- 大企業から中小企業へ転職する
- 転職先を急いで決めようとしている
- 自分の経験や実績を整理できていない
特に注意したいのが、
「早く辞めたいから条件は何でもいい」
となっている場合です。
今の会社がつらいと、
「とにかくここから離れたい」
という気持ちが強くなります。
すると、
年収、休日、仕事内容を十分比較せずに転職先を決めてしまうことがあります。
40代では転職後の生活への影響も大きいため、
辞めることと、転職先を決めることは分けて考える
ことが重要です。
年収が下がりにくい40代
一方で、次のような人は年収を維持しやすくなります。
- 同業界へ転職する
- 同職種へ転職する
- 専門的な実務経験がある
- 資格や技術を持っている
- マネジメント経験がある
- 数字で説明できる実績がある
- 複数の求人を比較している
たとえば、
「製造業で20年働いてきました」
だけでは評価されにくいことがあります。
しかし、
「マシニングセンタを使った加工を15年経験」
「新人5人の教育を担当」
「工程改善によって加工時間を短縮」
と具体的に説明できれば、企業側も評価しやすくなります。
重要なのは、
経験年数ではなく、何ができるのかを説明できること
です。
「強みがない」と思っている40代ほど一度整理したほうがいい
40代の転職相談で多いのが、
「自分には特別なスキルがありません」
という悩みです。
しかし20年近く働いてきた人が、
本当に何も経験していないことはほとんどありません。
日常的にやっている、
- 後輩への指示
- クレーム対応
- ミス防止
- 納期調整
- 作業改善
- 他部署との調整
なども、転職先によっては十分な強みになります。
自分では当たり前だと思っている経験ほど、
見落としやすいものです。
だからこそ40代の転職では、
求人を見る前に、自分の経験を一度棚卸しすること
が重要です。
次の章では、
40代が年収をできるだけ下げずに転職するために、
応募前にやっておきたい5つのこと
を具体的に解説します。
「長く働いてきたけれど、自分にはアピールできる強みがない」と感じている方は、
まず経験の棚卸しから始めてみてください。
→ 関連記事:40代の転職で強みがないと感じる人へ|普通の経験を強みに変える方法
4.年収を下げたくない40代が転職前にやるべき5つのこと
40代で転職を考えるとき、
「できれば年収は下げたくない」
と思うのは当然です。
ただし、年収を維持できるかどうかは、応募してから決まるのではありません。
実際には、
応募する前の準備でかなり差が出ます。
ここでは、年収をできるだけ下げずに転職するために、先にやっておきたいことを5つに分けて解説します。
①今の年収の「内訳」を確認する
まず確認したいのは、現在の年収そのものではなく、
何によってその金額になっているのか
です。
たとえば年収500万円でも、
- 基本給
- 残業代
- 役職手当
- 家族手当
- 住宅手当
- 賞与
の割合は人によって違います。
特に残業代が多い人は注意が必要です。
現在、
「年収500万円」
だと思っていても、
そのうち年間60万円が残業代という場合があります。
転職後に残業が減れば、年収は下がるかもしれません。
しかしその代わり、
- 毎日早く帰れる
- 睡眠時間が増える
- 家族との時間が増える
のであれば、単純に「損をした」とは言えません。
まずは源泉徴収票や給与明細を見ながら、
自分の年収が何で構成されているのか
を確認しておきましょう。
②自分の「最低年収」を先に決める
転職活動では、
「できれば今と同じくらい」
という曖昧な基準ではなく、
ここまでは下げられないという最低ライン
を決めておくことが重要です。
たとえば、
現在年収500万円なら、
「450万円までは検討できる」
「400万円になると生活が厳しい」
といった基準を先に作っておきます。
そのためには、
- 毎月の固定費
- 住宅ローン
- 家賃
- 教育費
- 車の維持費
- 保険
- 貯蓄額
などを一度確認する必要があります。
年収が50万円下がると聞くと大きく感じますが、
実際には手取りベースでどの程度変わるのかを考えることも大切です。
逆に、
「これ以下になると毎月赤字になる」
というラインがわかっていれば、求人を見るときに迷いにくくなります。
③経験・実績を「転職先で使える言葉」に変える
40代で年収を維持しやすい人は、
単に経験が長いだけではなく、
その経験を転職先でも使える形で説明できています。
たとえば、
「製造業で20年働いてきた」
だけでは、相手企業には何ができるのか伝わりにくいです。
そこで、
「マシニングセンタを使った精密部品加工を15年経験」
「新人教育を5年間担当」
「不良率を下げるための工程改善を実施」
「納期遅延を防ぐために工程管理を担当」
など、
仕事内容+結果
に変えていきます。
営業であれば、
「法人営業を担当」
ではなく、
「既存顧客30社を担当し、継続受注を維持」
というように具体化します。
企業は、
「この人を採用したら何を任せられるか」
を見ています。
年収を下げたくないのであれば、
自分の経験を即戦力として伝えられる状態にしておくこと
が重要です。
経験はあるのに、職務経歴書や面接でうまく伝えられない場合は、
自己PRの作り方を先に整理しておくと転職活動を進めやすくなります。
→ 関連記事:40代の転職で自己PRが思いつかない人へ|普通の仕事経験から作る方法
④できるだけ「経験がつながる転職先」を優先する
年収を維持したい場合は、
いきなり完全未経験へ行くより、
これまでの経験が少しでも使える仕事
を優先したほうが有利です。
たとえば製造業なら、
- 同業他社
- 生産管理
- 品質管理
- 技術営業
- 設備保全
- 工程管理
など、
今までの経験を横に広げる選択肢があります。
営業職であれば、
異業界でも、
「法人営業経験」
「新規開拓経験」
「マネジメント経験」
が評価されるケースがあります。
完全未経験だけを見るのではなく、
自分の経験を半分でも使える仕事がないか
を探してみてください。
これだけでも、年収が下がるリスクを減らせます。
⑤会社を辞める前に求人を比較する
これは特に重要です。
年収を下げたくないのであれば、
先に退職してから求人を探すのはおすすめできません。
退職後に転職活動をすると、
「早く次を決めないと」
という焦りが出やすくなります。
すると、
本来なら断っていた条件でも、
「もうここでいいか」
と妥協してしまうことがあります。
一方、在職中であれば、
「この条件なら今の会社に残る」
という選択肢を持ったまま比較できます。
40代では、
転職すること自体が目的ではありません。
今より条件や働き方を良くすることが目的です。
そのため、
まずは今の会社を辞めずに、
どんな求人があるかを見るところから始めるのが安全です。
5.40代でも年収を下げにくい求人の探し方|見るべきポイントは給与だけではない
求人を見るとき、
最初に目に入るのは「年収」や「月給」だと思います。
ただし、
表示されている金額だけで判断するのは危険です。
同じ「年収500万円」でも、働き方や実際の手取りは大きく違います。
ここでは、40代が求人を見るときに確認したいポイントを整理します。
①想定年収の「下限」を確認する
求人票には、
「年収400万円〜600万円」
のように幅があることがあります。
この場合、
自分が600万円で採用されるとは限りません。
特に転職時は、
経験・役職・前職年収によって提示額が変わります。
そのため、
上限ではなく下限を見る
ことが大切です。
たとえば、
年収450万円が最低ラインなら、
「400〜600万円」の求人は慎重に見る必要があります。
②基本給と固定残業代を分けて見る
求人によっては、
月給35万円
と書かれていても、その中に固定残業代が含まれている場合があります。
たとえば、
基本給28万円+固定残業代7万円
で月給35万円というケースです。
この場合、
残業が減っても固定残業代は支給されることがありますが、
賞与が基本給をもとに計算される会社では、
見た目ほど年収が高くならないことがあります。
そのため、
月給の数字だけでなく、基本給がいくらか
を確認してください。
③賞与が何か月分あるか確認する
40代では賞与の差も大きなポイントです。
たとえば、
月給30万円でも、
賞与なしなら年収360万円です。
一方、
月給28万円でも賞与4か月分なら、
単純計算では年収448万円になります。
もちろん実際の支給額は会社によって異なりますが、
月給だけでは比較できません。
求人票を見るときは、
- 賞与あり・なし
- 年何回
- 前年度実績
- 業績連動か
まで確認しましょう。
④残業代・手当・退職金も確認する
年収を比較するときは、
次の項目も見ておきたいところです。
- 残業代
- 役職手当
- 家族手当
- 住宅手当
- 資格手当
- 通勤手当
- 退職金制度
特に現在の会社で手当が多い人は、
転職後にそれがなくなるだけで年収が下がる可能性があります。
逆に、
基本給は少し下がっても、
退職金や企業年金が充実している会社もあります。
40代では、
今の月収だけでなく、今後10年・20年働く前提で比較すること
が大切です。
⑤年間休日と残業時間も「年収の一部」として考える
年収だけを見ると、
「500万円から470万円に下がる」
という転職は損に見えます。
しかし、
転職前:年間休日105日・毎月残業40時間
転職後:年間休日125日・残業10時間
だった場合はどうでしょうか。
年収は30万円下がっても、
年間で使える時間は大きく増える可能性があります。
40代になると、
「いくらもらえるか」
だけではなく、
その年収を得るために何時間働くのか
も重要です。
年収と同時に、
- 年間休日
- 残業時間
- 休日出勤
- 通勤時間
も比較してください。
6.年収が50万円・100万円下がる転職はアリ?判断する3つの基準
転職先を探していると、
「仕事内容は悪くない。でも年収が50万円下がる」
「行きたい会社だけど100万円くらい下がりそう」
という求人に出会うことがあります。
このとき、
「年収が下がるならやめておこう」
とすぐに判断する必要はありません。
反対に、
「今の会社が嫌だから給料はどうでもいい」
と決めるのも危険です。
判断するときは、次の3つを確認してみてください。
判断基準①生活が維持できるか
最優先はここです。
どれだけ良い会社でも、
転職後に毎月赤字になるのであれば長く続きません。
まずは、
年収が下がった場合の手取りを想定し、
- 住宅費
- 食費
- 教育費
- 車
- 保険
- 貯蓄
を今まで通り維持できるか確認します。
たとえば、
年収500万円から450万円へ下がっても、
毎月の生活に問題がないのであれば検討余地があります。
一方、
年収500万円から400万円になることで、
貯金を切り崩さなければ生活できないのであれば慎重になるべきです。
転職後も生活が回るかどうか
を最初の判断基準にしてください。
判断基準②年収以外に何が改善するのか
次に確認したいのは、
年収が下がる代わりに何を得られるかです。
たとえば、
- 残業が減る
- 年間休日が増える
- 夜勤がなくなる
- 通勤時間が短くなる
- 人間関係の負担が減る
- 仕事内容に将来性がある
- 家族との時間が増える
などです。
仮に年収が50万円下がっても、
毎日2時間の残業がなくなるのであれば、
生活全体ではプラスになる可能性があります。
反対に、
年収が下がったうえに、
残業も多い、休日も少ない、仕事内容も変わらない
のであれば、転職するメリットは小さくなります。
つまり、
「何円下がるか」ではなく「何と交換するのか」
を見ることが大切です。
判断基準③3〜5年後に年収を戻せる可能性があるか
40代の転職では、
初年度の年収だけで判断しないことも重要です。
たとえば、
初年度は年収450万円でも、
入社後に経験を積めば、
3年後に500万円
5年後に550万円
を狙える会社なら、
一時的な年収ダウンを受け入れる価値があるかもしれません。
確認したいのは、
- 昇給制度
- 評価制度
- 昇格条件
- 管理職登用
- 資格手当
- 過去の昇給実績
などです。
逆に、
昇給がほとんどない会社で100万円下がるのであれば、
将来的にも差が広がる可能性があります。
年収50万円ダウンならどう考える?
年収50万円ダウンの場合は、
現在の生活水準を維持できるのであれば、
条件次第では十分検討してよい範囲
です。
特に、
- 残業が大きく減る
- 休日が増える
- 通勤が楽になる
- 将来的に昇給できる
などのメリットがあるなら、候補に残してよいでしょう。
年収100万円ダウンなら慎重に考える
一方、
年収100万円ダウンは影響が大きくなります。
現在500万円の人が400万円になると、
年間だけでなく、数年間で見ると差はかなり大きくなります。
そのため、
- 生活に無理がないか
- 転職後に昇給できるか
- 仕事内容の負担が大幅に改善するか
- その会社で長く働けそうか
を慎重に確認してください。
「今の会社が嫌だから」だけで100万円下げる決断はおすすめできません。
年収ダウン=失敗ではない。でも理由は必要
40代の転職で年収が下がること自体は、必ずしも失敗ではありません。
しかし、
「なぜ下げてまで転職するのか」
を自分で説明できることが大切です。
たとえば、
「年収は50万円下がるけれど、年間休日が20日増えて残業も半分になる」
「一時的に年収は下がるけれど、経験を積めば今より上を狙える」
というように、
年収ダウンと引き換えに何を得るのか
が明確なら、納得して判断しやすくなります。
逆に、
「なんとなく今の会社が嫌だから」
だけで条件を下げると、転職後に後悔する可能性があります。
次の章では、
年収が下がってでも転職を検討したほうがよいケースと、
逆に一度立ち止まったほうがよいケース
を整理していきます。
7.年収が下がってでも転職を検討したい5つのケース
ここまで、
「40代の転職では、できるだけ年収を下げない準備が大切」
とお伝えしてきました。
ただし、
年収を守ることだけが正解とは限りません。
今の会社に残ることで、
健康、時間、家族との生活、将来の選択肢を失っているのであれば、
多少年収が下がっても転職を検討したほうがよいケースがあります。
ここでは、特に考えておきたい5つのケースを紹介します。
①仕事のストレスが強く、生活にまで影響している
まず考えたいのが、
仕事の負担が日常生活にまで影響しているケース
です。
たとえば、
- 朝になると会社へ行くのがつらい
- 休日でも仕事のことばかり考える
- 上司と顔を合わせるだけで強いストレスを感じる
- 家に帰っても何もする気になれない
- 家族との会話が減っている
といった状態が続いているなら、
年収だけを理由に今の会社へ残り続けることが本当に良いのか、
一度考える必要があります。
もちろん、
「つらいから今すぐ辞めよう」
という意味ではありません。
大切なのは、
今の年収を維持する代わりに、何を失っているのか
を見ることです。
年収が少し下がっても、
毎日の負担が大きく減るのであれば、転職する価値は十分あります。
②長時間労働が当たり前になっている
年収が高くても、
毎日残業が続き、休日出勤も多いのであれば、
その年収を得るためにかなりの時間を使っていることになります。
たとえば、
年収520万円で毎月40〜50時間残業している仕事と、
年収470万円で残業が月10時間程度の仕事。
金額だけを見れば50万円下がります。
しかし、
年間で自由に使える時間は大きく増える可能性があります。
40代になると、
仕事だけではなく、
- 家族との時間
- 親のこと
- 自分の体力
- 今後の生活
も考える必要があります。
だからこそ、
「年収」だけではなく「時間単価」でも仕事を見る
ことが大切です。
③今の会社でこれ以上の昇給・成長が期待できない
現在の年収が悪くなくても、
この先ほとんど上がらないのであれば、将来を考える必要があります。
たとえば、
「毎年ほとんど昇給しない」
「上の役職が詰まっている」
「会社の業績が悪く賞与が減っている」
「今の仕事では市場価値が上がりにくい」
といった場合です。
転職直後は年収が少し下がっても、
新しい会社で経験を積むことで、
3年後、5年後に今より高い年収を狙えるのであれば、
一時的な年収ダウンを受け入れる選択肢もあります。
見るべきなのは、
初年度の年収だけではなく、その会社で働いた先に何があるか
です。
④今の仕事を60歳まで続けるイメージが持てない
40代は、
「今がつらいか」
だけでなく、
この仕事をあと10年、15年続けられるか
も考えたい年代です。
たとえば、
- 夜勤が多い
- 肉体的な負担が大きい
- 長時間残業が続く
- 転勤が多い
- 今後さらに責任だけ増えそう
と感じているのであれば、
年収を少し下げてでも、長く続けやすい仕事へ移る意味があります。
年収550万円の仕事をあと2年で辞めてしまうより、
年収500万円でも10年以上続けられる仕事のほうが、
長期的には安定する場合があります。
⑤「今の年収」だけが会社に残る理由になっている
もし、
「給料以外には今の会社に残りたい理由がない」
という状態なら、
一度求人を見てみる価値があります。
もちろん、
給与は重要です。
しかし、
- 仕事内容に興味がない
- 人間関係が悪い
- 成長できない
- 会社の将来性が不安
- 毎日辞めたいと思っている
にもかかわらず、
「給料が下がるから」
だけで残り続けると、数年後に同じ悩みを抱えている可能性があります。
転職するかどうかは別として、
今の会社以外にどんな選択肢があるのか
を知っておくことは無駄ではありません。
8.応募する前に自分の年収相場を確認する方法
「40代で転職すると年収が下がるのか」
という不安を減らす一番の方法は、
実際に転職する前に、
自分と近い経験を持つ人が、どのくらいの条件で募集されているのか確認すること
です。
まだ会社を辞める必要はありません。
まずは求人を見るだけでも、自分の現在地がかなり見えてきます。
方法①同じ職種・同じ地域の求人を10〜20件見る
最初にやってほしいのは、
自分と近い求人を複数見ることです。
1件、2件だけでは判断できません。
たとえば、
- 年齢層
- 勤務地
- 職種
- 経験年数
- 必要資格
- 仕事内容
が近い求人を10〜20件ほど見て、
年収帯を比較します。
すると、
「400〜450万円の求人が多い」
「経験者なら500万円以上もある」
といった相場が見えてきます。
求人を見たからといって、
必ず応募する必要はありません。
まずは、
自分の経験でどのくらいの条件が狙えそうなのかを知る
ところから始めれば十分です。
方法②同業界だけでなく「経験が使える別職種」も見る
現在とまったく同じ仕事だけを見ると、
選択肢が狭くなることがあります。
たとえば製造業なら、
加工だけでなく、
- 生産管理
- 品質管理
- 工程管理
- 技術営業
- 設備保全
なども候補になります。
営業職であれば、
別業界の法人営業や営業管理職など、
これまでの経験を横展開できる可能性があります。
40代の転職では、
完全未経験へ飛ぶより、「経験の一部が使える仕事」を探す
ほうが年収を維持しやすくなります。
方法③転職サービスで客観的な評価を確認する
自分だけで求人を見ていると、
「この経験は評価されるのか」
「この年収を希望していいのか」
がわからないことがあります。
そんなときは、
転職エージェントなど第三者の意見を聞く方法もあります。
確認したいのは、
- 自分の経験ならどの程度の年収が現実的か
- どの業界なら経験を評価されやすいか
- 今の希望年収が高すぎないか
- 年収を下げずに狙える求人があるか
といった点です。
ここで大切なのは、
転職サービスへ登録したからといって、
転職しなければならないわけではない
ということです。
求人を比較して、
「今の会社の条件は悪くない」
とわかれば、転職しないという判断もできます。
逆に、
「思っていたより今より高い条件の求人がある」
と気づくこともあります。
1社だけで判断しない
転職エージェントを利用する場合も、
1社の意見だけで、
「あなたの年収相場はこのくらいです」
と決めつけないほうがよいでしょう。
担当者や保有求人によって、紹介される案件は変わります。
できれば、
複数の求人・複数のサービスを比較して判断する
ことが大切です。
自分の年収相場を知ることは、
転職を決めるためではありません。
転職するか、今の会社に残るかを冷静に判断する材料を増やすため
だと考えてください。
転職エージェントは1社だけで判断せず、
複数を比較すると紹介される求人や年収条件の違いも確認しやすくなります。
→ 関連記事:40代は転職エージェントを複数登録すべき?使い分け方と注意点
40代になると、「転職エージェントに登録しても求人を紹介してもらえないのでは」
と不安になる人もいます。1社でうまくいかなかった場合でも、
そこで転職活動を終わらせる必要はありません。
→ 関連記事:40代で転職エージェントに断られたら?次に試したい求人の探し方
9.40代の転職は「年収が下がるか」だけで諦めなくていい
40代で転職を考えると、
「年収が下がったらどうしよう」
という不安は簡単には消えないと思います。
住宅ローンや教育費、生活費を考えれば、
20代の頃のように、
「とりあえず辞めてから考えよう」
とはなかなかできません。
だからこそ、
40代の転職では、
勢いではなく準備が重要です。
この記事でお伝えしてきたように、
まず確認したいのは、
- 現在の年収の内訳
- 最低限必要な年収
- 自分の経験・強み
- 転職市場での年収相場
- 求人の基本給・賞与・手当
- 年間休日や残業時間
- 3〜5年後の昇給可能性
です。
これらを確認してから、
「今の会社に残る」
「転職活動を始める」
「条件の良い求人が出るまで待つ」
と判断すればよいのです。
年収が下がる=転職失敗ではない
転職して年収が50万円下がったとしても、
- 残業が減った
- 休日が増えた
- 家族との時間が増えた
- ストレスが減った
- 将来の選択肢が広がった
のであれば、
その転職を単純に失敗とは言えません。
一方で、
「とにかく今の会社を辞めたい」
という理由だけで年収を100万円下げ、
仕事内容も勤務条件もほとんど改善しないのであれば、
後悔する可能性があります。
大切なのは、
年収がいくら変わるかではなく、その差と引き換えに何を得られるのか
です。
今すぐ会社を辞める必要はない
転職を考え始めたからといって、
すぐに退職届を出す必要はありません。
まずは、
今の会社に在籍したまま求人を見てみる
ところから始めてください。
自分と同じような経験を持つ40代が、
どのくらいの年収で募集されているのか。
どんな会社なら今までの経験を評価してくれるのか。
そこを確認するだけでも、
「40代だから転職したら年収が下がる」
という漠然とした不安を、
具体的な判断材料に変えられます。
転職するかどうかを決めるのは、そのあとで十分です。
今の会社しかないと思い込まず、まずは自分にどんな選択肢があるのかを知ること。
それが、40代で後悔しない転職をするための最初の一歩です。

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